Neider Criollo / Colombia

Neider Criollo / Colombia

7月 07, 2026

Neider Criollo / コロンビア

Flavour;
Mandarin orange, Acelora, Pineapple, Nuts.
マンダリンオレンジやアセロラ、パイナップルの果実味、ナッツの甘さ。

生産国: Colombia ( コロンビア )
生産者 : Neider Criollo ( ネイデル・クリオージョ)
農園:  La Virginia (ラ・バージニア  )
産地  : Huila >Tarqui > Tablon de Belgica
品種:  Colombia (コロンビア)
精製方法: Washed ( ウォッシュト )
標高: 1800 masl
収穫時期: 2025

ウイラ県タルキの集落タブロン・デ・ベルヒカ。その丘の斜面に、ネイデル・クリオジョさんの農園ラ・ビルヒニアはあります。この農園の精製場は少し変わっていて、ウェットミルは丘の中腹を掘り込むようにして、ネイデルさん自身の手で作られたものだそうです。収穫されたチェリーは、農園の上部から地中に埋められた約800メートルのチューブを通って、斜面の下の精製場まで運ばれてきます。

発酵の見極めに温度計は使わず、タンクに手を入れて、その感触で終わりどきを判断する。この感覚をつかむのに1年かかったと言われています 。設備は自作、判断は手の感覚。小さな農園ならではのやり方ですが、2020年に初めて出荷したスペシャルティロットはラボで87点がつき、以来、輸出ロットは87点を下回っていないそうです。

ネイデルさんのコーヒーは、Fairfield Trading(FFT)を通じて私たちに届きます。創業者のアレハンドロ・レンヒフォさんは、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)や国際コーヒー機関(ICO)でエコノミストとして働いたのち、この会社を始めた人です 。扱うのはウォッシュトだけ。コロンビアの気候と小規模生産者の環境では、ナチュラルやハニーは品質が安定しにくい、という考えによるものだそうです。

FFTは毎年、日本のインポーターSYU・HA・RIさんと共同で「Colombia Washed Coffee Festival(CWCF)」という品評会を開いています。100を超える生産者のロットをブラインドでカッピングし、上位のロットには通常の買取価格にプレミアムを上乗せして支払う。基準に届かなかった生産者にも品質フィードバックを返して、翌年の再挑戦につなげる仕組みです。このプレミアムが乾燥場の屋根やウォッシングステーションといった設備投資に回っていく循環が、生産者たちの品質向上を支えています。 FUGLENではこれまでも、アストリッド・メディナさんやカリーナ・アンドレア・クラロスさんなど、FFTを通じたウイラの生産者のコーヒーを紹介してきました 。

ウイラ県は、栽培面積・生産量ともにコロンビア最大のコーヒー産地です。国土を南北に走るアンデス山脈は、コロンビア南部で中央山脈と東部山脈に分かれ、そのあいだをマグダレナ川が流れています。ウイラのコーヒーは、この二つの山脈に挟まれた谷の斜面、標高1,200〜1,800メートルほどの帯で栽培されています 。土壌は火山性でミネラルに富み、高地の昼夜の寒暖差がチェリーの成熟をゆっくり進めると言われています。

タルキはウイラ県の中南部、県内第二の町ガルソンから33kmほどの小さな自治体です。ラ・ビルヒニア農園のあるタブロン・デ・ベルヒカは、その中でも西側の山手に位置する集落で、農園は標高1,800メートル の斜面にあります。

ネイデルさんはコーヒー農家の家に生まれましたが、8歳のときに父親を亡くしています。若い頃に懸命に働いて手に入れたのはオートバイでした。2012年、そのバイクを元手に最初の土地を手に入れ、標高の高い斜面に3,500本のコロンビア種を植えたところから、ラ・ビルヒニアが始まりました。

当初は乾燥設備がなく、チェリーのまま売るしかありませんでした。転機は乾燥場を建てたこと 。ここからロットを自分で仕上げられるようになり、スペシャルティコーヒーの生産者としての歩みが始まりました。品質改善には、プロのカッパーである妹さんの力も借りているそうです。

現在の農園は3ヘクタール。コロンビア種10,000本に加え、ピンクブルボン2,500本、ゲイシャ160本が植わっています。農園は妻のマリベルさん、息子のサンティアゴくん、娘のイザベラちゃんとの家族経営です。

今回お届けするのは、ラ・バージニア農園のコロンビア種です。

コロンビア種は、その名の通りこの国のための品種です。1982年、国立のコーヒー研究機関Cenicaféが、カトゥーラにティモールハイブリッドを掛け合わせて作りました。目的はさび病への耐性で、1980年代半ばに実際にさび病がコロンビアに到達した際、この品種が産業を深刻な被害から守ったと言われています。ロブスタの血を引くため、かつては「丈夫だが味は平凡」と語られがちな品種でした。ただそれは栽培と精製次第で、丁寧に仕上げられたロットは品種の先入観を超えてきます。

ラ・ビルヒニアの精製はフリーウォッシュトです。熟したチェリーは毎日手摘みされ、まずホッパーで一晩、約12時間置かれます。翌日、水を使わずに果肉除去が行われ、パーチメントはタンクで38〜40時間の乾式発酵に入ります。発酵を終えたパーチメントは2回洗浄され、その後「トゥラ」と呼ばれる袋に入れて3時間ほど水を切ります。

乾燥は高台に設けられた乾燥棚で。屋根には温度を調整するためのシェードメッシュが張られていて、天候にもよりますが、およそ15日間かけてゆっくり乾かします。チェリーを寝かせてから水を使わずにパルピングし、乾式発酵を経て高床でじっくり乾かす。この流れ自体はウイラの小規模生産者に広く見られるものです。そのなかでネイデルさんらしさが出るのは、発酵の終わりを自分の手で確かめる判断のところなのでしょう。

バイクと引き換えに手に入れた小さな土地から始まって、精製場も、乾燥場も、少しずつ自分の手で足してきた農園です。

 



1daa9fafdd6fbcb57f24d49085372363cc289be6051412ecf30c1c17e7010413